【旅の1枚】オーロラを見た日 @Michigan, USA
それはちょうど11年前の今日のお話。
2000年2月の第二土曜日、そして日付は2月12日だったということをはっきりと覚えている。そして今年も2月の第2土曜日が2月12日ということに今気づいて、感動しながらこの写真をアップすることに決めた。
そこはスペリオル湖に突き出した半島にある街で、湖を越えればカナダという、アメリカの北の果てのような街だった。冬の寒さは日中でも-10度越えは当たり前のような厳冬地帯。
2月の第2土曜日の午前1時過ぎ、僕は電気を消してベッドに入った。
ベッドの前には床から天井まである大きな窓があって、いつものごとく、夜の星空を見ながら寝ようとすると…
「空が緑色なのはなぜだ!!??」
と夜空が変なことになっていることに気づき、窓に駆け寄って空を眺めた。
夜空の黒に、緑色の絵の具を溶かしたかのようなモヤがかかっているのだ。
それはオーロラが出現する前兆現象(というかオーロラという形になる前の薄い光)ということに気づくまで、僕の頭の中はパニック気味だった。
「超常現象」か?「UFOの襲来」か? 一体空に何が起きたんだ??
オーロラって写真で見るときれいだけど、オーロラになる前のモヤみたいな状態は実に不気味なのだ。
そのまま眺めていると、やっとオーロラらしい形になってきて、それから僕の恐怖心は興奮へと変わった。すぐに寮の友達にオーロラが出ていることを知らせに走り、部屋に戻ってきて、カメラの準備。
オーロラの写真なんて撮ったことないし、当時はフィルムカメラだったので画像の確認もできずに不安だったけど、とりあえずシャッタースピードを最高の30秒で撮ったのが、上の2枚の写真。もちろん満足いくものではないし、実際はもっときれいだったけど、当時の僕のカメラのスキルからすれば、うまく撮れたと思う。北極圏で見られるような完璧なオーロラではないけれど、確かにそれはオーロラだった。
写真に収めたあとに、とりあえずガチガチに防寒して、-20度のオーロラの空の下へダッシュ。
空を見上げる僕らの前で、オーロラはゆっくりとひらめくカーテンのように、光の強弱を繰り返し、そのショーは15分ほど続いた。
感動しっぱなしで、寒いのを完全に忘れたね。オーロラが出現するという話は聞いていたけど、まさか本当に見られるとは…。
そのあと感激でなかなか寝付けず、15分のオーロラのショーは、その夜僕の頭の中で明け方までリピートされ続けるのだった。
ちょうど11年前の、2月の第2土曜日の2月12日のお話でした。
※写真はフィルム写真をスキャンしたものなので、画質の悪さやキズ汚れ等はご容赦ください。