「出ない、会わない、動かない」すすめ

「冬」は嫌いだ。

「冬は調子が悪い、ついてない」
「冬は何をやってもうまくいかない」
「嫌なことはたいてい冬に起きる」

これは30年以上生きてきて、なんとなく感じていたことだ。


そして今年、その原因がわかった。

その原因は「寒さ」だった。

当たり前すぎる答えだが、これがわかったことは自分にとって、とても大きなことだった。

自分は寒さに極端に弱いので、寒いだけで、モチベーションが下がり、気弱になり、動くこと自体が嫌になる。

だから冬に失敗や空回りが多いのは当然だし、暖かい気候の中ではどうってことないミスや失敗も、寒いと必要以上に気にして落ち込んでしまったりする。寒い地域では自殺が多いと聞くが、自分もその部類の人間に入るのは間違いない。


自分にとって避けるべきものは、冬ではなく「寒さ」なのだ。


なので、一番の理想は、常夏の南の島や、今が夏の南半球の国に引っ越してしまうこと。まあこれは今は無理だけど10年以内に実現させるとして、とりあえずこのいかんともしがたい寒さの中、対策として自分が意識的にやったことは下記3つ。

■外に出ない
外を暖かくするのは無理なので、外に出るのを極力やめていた。作業は家でやるか、作業場がある六本木に行く場合も、なるべく外に出なくていいように、地下のルートを活用。外でのイベントは参加しない。

■人と会わない
寒いと、人を楽しませる余裕がなくなるので、初対面の人とかと会ってもうまく話せない…ということに気づいたので、そういうシチュエーションが発生するイベントやパーティには参加しない。仕事の打合せや、(テンション低くても許される)本当に親しい友人のみとたまに会うくらいにする。

■行動しない
弱ってる状態で行動したってうまくいかないので、勝負を仕掛けるとか、チャレンジするとか、そんなような行動はしない。いつも通りの安全路線で、自分一人でできる作業を黙々とやる。


上記3つを総合すると、世間から見れば「引きこもり」だな…。
はやりのポジティブ思考よろしくの「人と会え」「チャレンジしろ」の真逆をいく、「出ない、会わない、動かない」という三拍子そろった「行動しない」行動哲学である(笑


で、実際やってみたら、


けっこうよかった。


いろんな誘惑に惑わされることなく、仕事を含め、自分のやりたいことが思う存分できたし、いつもなら友人に飲みの誘いをしてしまうような夜の空き時間は、読書や勉強に当てることができた。

みんなが騒いでる金曜日の夜も、一人六本木ライブラリーで49階の夜景を眺めながら読書することがとても心地よかった。眼下に広がる東京の夜景を見ながら将来のことに想いを馳せるのもなかなかおつなんだな。

何より仕事以外で進めたいと思っていたことがけっこうできたので、それが一番でかかった。


今回気づいたことは、引きこもること自体は、何も問題ないし、むしろ無駄なことに時間を使わなくていい分、逆に有益なんじゃないか、ということ。

もちろん仕事の打合せとかはちゃんと出るけど、出なくてもSkypeがあれば事足りるし、TwitterSNSでいろんな人とコミュニケーションとれるから寂しくない&情報もいつもと変わらず手に入る。要するに一人のデメリットって、技術の発達でどんどんなくなってきてるのね。


これに気づいたおかげで、ちょっとした煩わしさから解放されたような気がする。「引きこもっても大して問題ない」を前提に考えれば、面倒な人付き合いや、「行動しないとヤバイよ」と「過度なポジティブ」を押しつけてくるような社会的な風潮から自由になれ、自分のやりたいことにうまく集中できるからね。


まあ「気づいた」っていうよりは、最初から知ってたので、「確信に近づいた」と表現したほうが適切かな。僕は1年近くニートやってたことがあるから、引きこもったりすることに、大して抵抗がないんです。その自由な時間に考えたり勉強したりしたことが、今の自分の生活や仕事の一部になってるので、逆に人生で1年くらいは自由に過ごしたほうがいいと思ってるくらい。


それでむりやり結論にしちゃうけど、とりあえず意識的に「出ない、会わない、動かない」時間を作ることは、現代人には大切なんじゃないかと思う。これ強力なライフハックになるよ。

現代人はただでさえ「出すぎてて、会いすぎてて、動きすぎてる」からね。何か新しいこと始めようと思っても、その前に疲れてて始められない人多いでしょう。これ単純に「仕事が忙しい」って理由よりも、「とにかく頑張らないとまずい」とか「止まったら置いていかれる」みたいな、「走る」ことばっかりに精神が持っていかれちゃってるからだと思う。

そこで自分で意識的に「止まる」の。強制ブレーキね。「止まる」だと一時的に感じられちゃうから、「引きこもる」という言葉を使いたい。家に引きこもるのではなく、自分に引きこもる。「外部から自由になる」という言い方をすれば美しいかもw

例えば月に一度くらいは金曜日に飲みの誘いを断って、一人で過ごす時間を作るとか、タイミングややり方はいろいろあるね。

自分の場合は、それを「冬」にもってきた。「冬」に力を蓄えて、「春」を待つイメージね。春が訪れる兆しが少しだけ見えてきたので、とりあえず記事にしてみた。

これからこのネタをブラッシュアップさせて、「引きこもる力」という本を出してカツマーに挑戦します(嘘

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