JR九州CMのカンヌ受賞によせて

JR九州/祝!九州キャンペーン」のCMがカンヌで金賞を受賞したらしい。

JR九州の“幻のCM”がカンヌで金賞、CM曲歌うマイア・ヒラサワも祝福。 | Narinari.com



僕がこのCMを初めて観たのは、震災が起こった直後で、悲劇的・危機的なニュースの連続で精神的に疲れきっていた頃だ。 そんな時、Twitterにたまたま上がっていたリンクをたどりYOUTUBEでこのCMを観た。震災の影響で放映中止になってしまった、という内容のツイートだったと思う。

僕は広告業界でずっと働いてきたので、もう広告やキャンペーンで心を動かされることはほとんどないし、プロゆえにとてもドライな視点でそういうものを観てしまうクセがついている。そんな僕が、180秒のCMが終わる頃には目頭が熱くなって今にも涙がこぼれそうになっていた…。六本木ライブラリーにいたので、我に返って持ち直したが、CMというものにこんなにも感動したのは初めてだ。

感動したのは僕だけでなく、このCM映像は瞬く間にネット上で広がり、大きな話題となった。
そして今回のカンヌ金賞受賞である。

震災によって放映中止となったCMが、逆に震災で痛んだ日本人の心を勇気づけたのだ。そして放映中止にも関わらずカンヌ金賞を受賞してしまうという、伝説的なCMとなった。

まだ広告業界は捨てたものではないなと思ったし、僕ら現場で働く制作者は、これぐらい人々の心に残るものを作る気概で仕事に向かうべきだと、改めて気が引き締まった感じ。そして、素晴らしいものを作れば、例え放映されなくてもキチンと世界に評価される時代がきたのだなと思った。

今回、TwitterでこのCMがカンヌ金賞を受賞した旨をツイートしたら、半日くらいで100人以上からリツイートされた。それだけこのCMがみんなに愛されているのだろう。



このCMの感想は人それぞれだろうけど、僕はこのCMを観て「みんな頑張ろう!」と思った。

もう政治・経済を含め、「日本」というものが、僕らの生活を楽しくしてくれる力は残っていないのは明白な事実だ。そこは現時点では絶望的だと思って間違いない。

しかし唯一の希望があるとすれば、僕らが変わる余地は十分に残っている、ということだろう。もう日本に対する不満不平は言っても何も変わらないので、このCMのように、笑い、楽しみ、動こう。もう国任せはやめて、僕ら一人一人が自分の人生に責任を持ち、自らの意思と覚悟で、「理想」という未来に向かい、そこに「楽しさ」を見いだすことができれば、日本は確実に変わるだろう。

てかそんな難しい精神論は今はいらないかな…。とりあえず悲観論に暮れて下見るのはやめて、ニコッと微笑んで空でも眺めよう。政治も経済も自分を楽しくしてくれないなら、自分で楽しくすればいいじゃないか。日本を、世界を楽しくするのは自分だという意識を持って頑張ろう。

なんてことをCMに感動しつつ、思った次第でございます。

以上おしまい。


*追記:YOUTUBEにこんなまとめページがあった。→ 九州新幹線全線開業CM集



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