2010年の終わりに、今後10年の「変化」について思うことを書く

2010年は僕にとって激動の年だった。まあ会社辞めてフリーランスになったんだから当然だけど。

仕事自体はずっとやってることなので、卒なくこなせた気がするけど、やっぱりそれ以外で初めてのことが多くて、何かと大変だった。例えば、会社に入れば庶務の人たちがやってくれていた請求書や契約書云々とか、あとは帳簿つけとか、勉強することが多かった。けっきょく勉強するよりも、「よく知っている人」に聞くのが一番早いとわかったんだけど…。まあでも何にせよ、いろいろ勉強になった1年だったと思う。


そして世間も、今年は変化の予兆がたくさんあったね。2000年代は20世紀の枠組みが少しずつ壊れ行くのを感じながらも、それでもかろうじてそのまま乗り切ってきた感じだけど、今年から始まった2010年代は、あらゆるものがデッドエンドを迎え、新たな価値や思想、枠組みがどんどん台頭し、めまぐるしい変化がバンバン起こる10年になると思う。

仕事のやり方や雇用形態は劇的に変わるだろうし、人々のライフスタイルも様変わりするだろう。そして何より国家や家族といったベースの部分の概念すらも変化せざるを得なくなるに違いない。

人々は仕事とは何か、人生とは何か、そして国家とは何か、家族とは何か、を真剣に考える(再考する)べき時がそう遠くない将来(ていうかもう考えてる人たちはとっくに考え出してるけど)に来るだろう。安定を好み、変化を嫌う傾向がある、この日本という国にとって、この10年は受難の時代になるかもしれない。しかし日本が受難だからといって、日本人全員が受難なわけではない。

今年、日本で突然大ブレークしてしまったドラッカー先生の言葉
「変化はコントロールできない。できるのは、変化の先頭に立つことだけである」

↑この言葉すごく好きなんだよね。変化は逃げようと思っても逃げられないから、逆に積極的に変化を受け入れ、楽しむくらいがちょうどいい。重要なのは、情報をキチンと収集して、どういう変化が起こるかをある程度予測→先手を打って動けばいいと思う。よけいなこだわりや重荷になるプライドなんてさっさと捨てて、楽しいほうへどんどん変化していってやればいい。

そもそもずっと同じなんて面白くないでしょう。昔は「終身雇用制度」なんてものがあったらしい(笑)けど、定年まで同じ会社で同じことやるなんてつまらない。今のネット環境やインフラなら、やろうと思えばいろんな仕事に手を伸ばせるし、アイデア次第で自分で仕事を作ることだってできる。いろんな人と出会えるかもしれないし、海外にも行けるかもしれない。とにかく自分の行動次第でより豊かな人生を、自分の力で実現できる時代。これは素晴らしいことだ。


そんな変化の時代が始まるにあたり、僕が意識していることは3つ。

■職種にこだわらない。
僕がフリーランスになったのは、デザインの仕事を死ぬまでやる決意ではなく、「他の仕事もやってみたい」「何ならデザインは趣味にしちゃってもいい」みたいな、働くことに対して、フレキシビリティを確保するのが一番の目的だった。仮に将来「デザイン」の仕事で食べていけなくなっても、他の収入口があれば、ある程度対応できるはずだし、基本お金は稼げるだけ稼ぎたいし、デザイン以外でも、絵を描いたり文章を書いたり、やりたいこともどんどんやっていきたい。でも会社勤めだと、これが著しく制限されちゃうからね。フリーランスなら、どんな仕事やっても許されるし、勉強や情報収集する時間も自分で確保できる。

■住む場所にこだわらない。
少し前にあった、ローンを組んで持ち家を建てる計画を白紙撤回。住む場所さえこだわらなければ、どんな変化にも対応し、受け入れて行動できると思う。何より僕は日本だけに住むことは考えておらず、来る大グローバル社会に便乗して、いろんな国に住んじゃいたいと思ってる。(まあでも仕事上&性格上、大都市以外に住む気はないけど)

■最新の情報に常に触れる
最新の政治や経済などのニュース、新製品や新技術など、新しい情報に常に触れること。当然全て理解するなんて無理だから、とにかくわからなくても「触れておく」こと。そうやって「最新」に触れておくと、今後社会がどうなっていくか、ある程度予測がつくし、仮説を立てられる。そのプラットホームとして、Twitterはもうなくてはならないものだな。

「仕事」と「住む場所」という制約から自由になれば、意外と気が楽になって、変化に対応しやすくなり、「最新の情報」を触れつつ、将来をある程度予測できれば、どう行動するべきかおのずと決まってくる。


「変化をする」ということは、もちろん簡単なことじゃない。でもやるべき時が来てるのは誰でも肌感覚でわかっていると思う。変化から目を背ければ取り返しのつかないことになる。逆に変化に目をそらさず真面目に取り組めば、結果はきっとついてくるだろう。変化を両手を広げて迎えてやろう。僕らの前には、今までのしがらみや制約のない、オープンハイウェイが広がっている。

最後に茂木健一郎さんのツイートから…
「結局さ、人間はさ、夕暮れの通りを歩いているときのように、とにかく自分の存在が不安になるような瞬間がないと、変化するポテンシャルを失うんだよね」←多分その「夕暮れの不安」は「今」なんだろうね。

2011年の「変化」を楽しみにしてます。なう。


*ちなみにそんなことを考えつつ、今年読んだ本の中で、下記の本が一番名著でした。激動する時代の生き方の参考として、とてもおすすめです。

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*未来学者のアルビン・トフラーは、将来をこんなふうに予測してます。参考までに。
未来学者アルビン・トフラーが予測する今後の40年を左右する「40の変化」